ホテルの客室選びにおいて、多くの宿泊客が無意識に見落としているのが「都市のリズムとカレンダーの連動性」です。ネット上では「高層階であればいつでも煌びやかな夜景が広がる」と思われがちですが、これは明らかな誤解です。
東京の摩天楼の光量を支えている最大の要素は、居住区の明かりではなく、大手町、丸の内、新宿、汐留などに林立する「オフィスビル群の窓明かり」です。そのため、平日の夜(月曜日から木曜日)は残業や清掃作業に伴う照明によってビル全体が宝石箱のように光り輝きますが、土曜日・日曜日や祝日、大型連休期間中はオフィスの消灯率が急上昇します。その結果、同じ客室、同じ階層であっても、休日は光の密度が3割から4割近く減少し、どこか寂しい夜景になってしまうという現象が起こります。
オフィス街のパノラマを堪能したいのであれば平日宿泊を狙う、あるいは休日に宿泊する場合は、商業施設やタワーマンションが多く集まる六本木・渋谷・ベイエリア方面の客室を選択するのが、玄人筋の常識です。都市が活動する時間軸を理解して予約日を設定することが、夜景のクオリティを決定づけます。