「マグロは止まったら死ぬ」噂の真相!呼吸の仕組みと睡眠の真実

「マグロは止まったら死ぬ」噂の真相!呼吸の仕組みと睡眠の真実

「マグロは止まったら死ぬ」噂の真相!呼吸の仕組みと睡眠の真実を徹底追究! 読者が気になる 情報と解説を凝縮して配信します。

日本国内で水族館のマグロの生態を間近に観察できる代表的な施設が、東京都江戸川区にある葛西臨海水族園マグロ群泳(大気砲型ドーナツ水槽)です。2,200トンもの海水を湛えた巨大水槽では、数十尾のクロマグロが銀色の魚体を輝かせながら、同一方向へ延々と泳ぎ続ける圧巻の光景が見られます。

飼育担当スタッフの現場証言や学術レポートによると、マグロの飼育管理で最も神経を使うのが「夜間の遊泳環境の維持」だといいます。閉館後の消灯時、水槽内が完全な暗黒になると、睡眠状態に入ったマグロが視覚的な空間認知を失い、アクリルガラスの側壁に激突して脊骨を骨折・急死してしまうリスクが跳ね上がります。そのため、水槽周囲には常夜灯のような微小な照明を残し、彼らが無意識の省エネ遊泳中でも壁面を認識してターンできるように工夫されています。

水族館のバックヤードからの観察データでも、夜間におけるマグロの呼吸数(エラを通過する水の流量に相関する尾鰭のストローク数)は日中に比べて約20〜30%減少することが確認されています。水槽という限られた空間であっても、彼らは一度たりとも足を止めることなく、数万キロにおよぶ大海原の記憶をなぞるように泳ぎ続けているのです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。