本名アブデルラフマン・シャーラン。カイロ郊外で生まれ育った青年が、遠く離れた日本の伝統国技に身を投じたのは2011年のことだった。異例ずくめの挑戦だった。大嶽部屋に入門した彼は、イスラム教徒としての戒律を守りながら土俵に上がった。ラマダン(断食月)期間中には、猛暑の本場所で水さえ飲まずに出場し、土俵上で白星を掴み取る姿が列島を驚嘆させた。
四股名は「大砂嵐金太郎」。初土俵からわずか数場所で十両、そして幕内へと駆け上がったスピード出世は、まさに砂漠の嵐そのものだった。武器は規格外の腕力と、相手の顎を容赦なく跳ね上げる強烈なかち上げ。上位陣を次々と脅かし、瞬く間に大相撲界の台風の目となった。