白湯にまつわる言説には、科学的根拠を欠いた過剰な期待や誤認が数多く散見されます。正しく効果を得るために、代表的な3つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「白湯を飲めば飲むほど脂肪が燃えて痩せる」
「白湯ダイエット」という言葉が独り歩きし、1日に2リットル以上もの白湯をがぶ飲みするケースが見られます。しかし、白湯自体に脂肪を燃焼させる直接的な薬効成分はありません。
白湯がもたらす効果は、温水が胃腸壁を刺激して内臓温度を約1℃引き上げることによる基礎代謝の正常化(約10〜12%の向上)と、腸の蠕動(ぜんどう)運動促進に伴う便秘解消です。過剰に摂取すると胃液が薄まって消化不良を起こしたり、体内のナトリウム濃度が急低下してむくみを引き起こす恐れがあります。1日の摂取目安量は600〜800ml(マグカップ3〜4杯分)にとどめるのが医学的にも理にかなっています。
誤解2:「一度冷めた白湯をレンジやケトルで温め直してはならない」
アーユルヴェーダの伝統解釈では「一度沸かして冷めた湯の再加熱は毒素(アーマ)を生む」と戒められます。ただし、現代の生化学的視点において、清潔な容器で保管されていた湯を再加熱したからといって有害物質が発生することはありません。
もちろん、保温水筒に入れて持ち歩くか、飲む都度適量を沸かす方が衛生的かつ風味も保たれますが、「再加熱したから身体に悪い」と思い詰める必要はまったくありません。