「周囲の友達はみんな毎月数千円もらっている」という子どもの主張を鵜呑みにするのは早計です。調査データでは、高校生お小遣いなしの割合が依然として全体の18.5%存在します。5人に1人は固定の定期小遣いを受け取っていません。この層の内実を深掘りすると、大きく2つのグループに分かれます。
ひとつは「完全都度支給型」です。必要な文房具、参考書、休日の友達との映画代などをその都度親にプレゼンし、審査が通ればお金を受け取るスタイルです。「無駄遣いを防げる」「必要な分は全額出してもらえるので困らない」という肯定的な声がある一方、ネット上の掲示板やSNSでは「友達と遊ぶたびに親の顔色を窺って許可を取るのが苦痛」「プライベートな買い物の内訳まで根掘り葉掘り聞かれて自立心が削がれる」といった不満の書き込みも散見されます。
もうひとつが「アルバイト自活型」です。校則でアルバイトが認められている高校や定時制・通信制の生徒を中心に、自分自身で稼ぎ出すスタイルです。全国的な統計によると、定期的に働く高校生のアルバイト収入平均は月額3万8,000円〜4万5,000円に達します。月5,000円のお小遣いとは実に7倍から9倍もの経済的格差が生じることになります。
千葉県内の公立高校に通う男子生徒(高3・居酒屋でアルバイト勤務)は、次のように語っています。
「親からの小遣いは高1の冬にバイトを始めてからゼロになりました。最初はキツいと思いましたが、シフトを増やせば月5万円は入ってきます。自分で稼いだ金だから、服もゲームも親に文句を言われずに買える。バイトをしていないクラスメイトが『カフェ代が足りない』と嘆いているのを見ると、自由の重みが違うと感じます」
しかし、アルバイト収入への過度な依存は学業や睡眠時間の圧迫という代償を伴います。可処分所得が跳ね上がることで金銭感覚が大人並みに肥大化し、進学後に学業に専念できなくなるケースも報告されており、単に「稼げるから良い」とは言い切れない難しさがあります。