作中の表記である「上弦の肆」の読み方は「じょうげんのし」です。「肆」は大字(だいじ)と呼ばれる漢数字の表記法で、「四」の改ざんを防ぐために公的文書などで古くから用いられてきた正式な文字にあたります。数字の「四」は日本では古来「死」に通じる忌み数とされてきた歴史的背景もあり、十二鬼月の上位陣における「肆」の座は、まさに鬼殺隊にとって死神そのものの不吉さを漂わせています。
物語を通じてこの「上弦の肆」の数字をその瞳に刻んだ鬼は、歴代で2体確認されています。1体目は100年以上その地位を守り続けてきた老鬼の姿をした半天狗、そして2体目は、半天狗の敗北後に琵琶の血鬼術を買われて大抜擢された鳴女です。
特にアニメ化における声優陣の布陣は、日本のアニメ史に残る異例の豪華さとして大きな話題を呼びました。本体である半天狗をレジェンド声優の古川登志夫氏が怪演しただけでなく、分裂体それぞれに主役級のキャストが集結。怒りの鬼「積怒」に梅原裕一郎氏、喜びの鬼「可楽」に石川界人氏、哀しみの鬼「哀絶」に斉藤壮馬氏、楽しむ鬼「空喜」に武内駿輔氏が起用されました。さらにそれらが統合された最強形態「憎珀天」には山寺宏一氏が配され、後任の鳴女には井上麻里奈氏が抜擢されています。制作陣の徹底したこだわりが、キャラクターの底知れない不気味さを極限まで引き立てています。