どれほど検索技術を磨いても、実際の店舗運営の現場にはデータに現れないギャップが存在します。都内および近郊主要店舗での定点観測と、日常的に100均を利用する消費者への取材から浮かび上がったのは、デジタルとリアルの間で生じる「3つの摩擦」です。
第一に、「アプリの在庫表示と実際の陳列棚のズレ」です。都内在住の30代会社員は次のように証言します。「公式アプリで『在庫あり』と表示されていた収納ボックスを買いに大型店へ足を運んだが、棚はもぬけの殻。店員さんに確認したところ、入荷段ボールがバックヤードに山積みされたままで、品出しが追いついていない状態だった」。1日に数万個単位で商品が動く旗艦店ほど、データ上の反映と現物の陳列に数時間のタイムラグが生じやすい構造的課題を抱えています。
第二に、セルフレジ導入の加速に伴う「決済手段の分断」です。ダイソーをはじめとする各社は無人レジへの移行を急速に推し進めていますが、一部チェーンのセルフレジ専用機では「完全キャッシュレス(現金不可)」のレーンが大半を占めるケースが増加しています。小銭を握りしめて来店した高齢者や子どもが有人レジの長蛇の列に並び直す光景が散見され、事前の決済準備がスムーズな買い物の前提条件となっています。
第三に、週末の大型店における駐車場渋滞とレジ待ちのコストです。SNS上でも「品揃えが良いと聞いて郊外の超大型店に行ったが、駐車場に入るまでに30分、会計で15分待たされ、結局半日潰れた」という不満の声が上がっています。時間対効果を考慮した場合、多少品揃えが劣っていても徒歩圏の標準店で妥協したほうがトータルのストレスが少ないという局面も確実に存在します。