耳鳴りは単なる耳のトラブルにとどまらず、脳血管障害の「警告シグナル」として現れる場合があります。特に脳幹や小脳を栄養する椎骨脳底動脈の血流不全は、見逃してはならない重大局面です。
脳梗塞の前兆として現れる耳鳴りは、単独で生じるよりも「ろれつが回らない」「視界が二重に見える」「手足に力が入らない」「真っ直ぐ歩けない」といった神経脱落症状を伴うのが特徴です。脳の血流が一時的に途絶える一過性脳虚血発作(TIA)の段階で耳鳴りを自覚する患者も少なくありません。
また、拍動性耳鳴りの背景には、脳動静脈瘻(硬膜動静脈瘻)や未破裂脳動脈瘤、頸動脈プラークによる狭窄が隠れている事例が報告されています。脈打つような強い音が持続する場合は、耳鼻科領域だけでなく頭部MRI/MRA検査による血管評価が不可欠です。