検索エンジンやSNS上で散見される「JAMSTEC やばい 理由」というキーワードは、組織の内部崩壊や不祥事を指すものではありません。報道各社の報道履歴や現場研究者の手記、コミュニティの分析から見えてくる実態は、大きく分けて次の3つの極端な要因に集約されます。
第1の理由は、研究設備と技術力のスケールが常識外れに「やばい」という肯定的驚嘆です。水深6,500mまで潜航できる有人潜水調査船「しんかい6500」や、マントル到達を目指す世界屈指の地球深部探査船「ちきゅう」、さらには気候シミュレーションを牽引する地球シミュレータなど、他国が模倣できない国家級インフラを日常的に運用しています。研究者が「世界でここにしかないデータ」に触れられる環境そのものが、業界内では驚きをもって語られています。
第2の理由は、有期雇用制度とポスト争奪戦の過酷さです。日本の国立研究機関全体が直面するポスドク問題や労働契約法の「無期転換(10年ルール)」の課題はJAMSTECも例外ではありません。プロジェクト単位で採用された若手研究者は、数年ごとの契約更新時に厳しい論文業績の審査に晒されます。「定年制ポスト(無期雇用)を勝ち取るまでのプレッシャーが凄まじい」という現場の切実な声が、外部に「やばい競争環境」として伝播した側面があります。
第3の理由は、過酷なフィールドワークと乗船業務の負荷です。海洋調査では、一度外洋へ出港すると数週間から2ヶ月近く船上で研究・探査に没頭します。荒天時の船酔いや隔離された環境での連日作業は肉体的・精神的タフネスを要求されます。「生半可な気持ちで入所すると現場の厳しさに圧倒される」という実体験が、ネット上の刺激的な評判を形成する要因となっています。