最高気温の絶対値だけでなく、近年は「暑さの持続期間」が社会インフラに大きな負荷を与えています。福岡県太宰府市では2024年に猛暑日連続記録を40日連続へと大幅更新し、列島各地でも熱帯夜の連続日数が過去最多を更新し続けています。
自治体の現場を取材すると、従来の熱中症対策だけでは対応しきれない構造変化が浮き彫りになります。救急搬送件数の高止まりによる救急医療の逼迫、学校教育現場における屋外活動の全面中止、農作物の高温障害による収穫量激減など、影響は生活基盤のあらゆる領域に波及しています。
かつては一時的な異常気象として扱われていた40℃超えの気温は、いまや「毎夏どこかで観測され得るリスク」へと定着しました。エアコンの使用を我慢するような精神論的アプローチは完全に破綻しており、空調設備のない空間を避ける行動様式や、行政によるクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)の確保が標準的な生存戦略となっています。