センター試験の歴代日程には、厳格な運用ルールが定められていました。それは「毎年1月13日以降の最初の土曜日および翌日曜日」に実施するという原則です。最も早い年では1月13日・14日、最も遅い年では1月19日・20日となり、常に冬の最も寒さが厳しい時期にセットされていました。
この日程設定ゆえに、センター試験の歴史は「自然災害や予期せぬトラブルとの戦い」でもありました。日本海側を中心とする記録的な豪雪による交通機関の麻痺はほぼ毎年のように報じられ、試験開始時間の繰り下げや再試験の手続きが風物詩のように繰り返されました。
特に試験運営上で最大の技術的転換点となったのが、2006年(平成18年)度の英語リスニングテスト全面導入です。全受験生に専用のICプレーヤーとイヤホンを配布し、個別に音声を聞かせて解答させるという世界でも前例のない巨大プロジェクトでした。初年度は機器の不具合や操作ミスを訴える受験生が続出し、全国で450人以上が再テストの対象となる混乱が発生しました。その後、機器の改良や運用マニュアルの徹底によってトラブル件数は激減したものの、受験生にとっては「ボタンが正しく作動するか」という精神的ストレスを強いられる要因となっていました。
また、センター試験直後の月曜日に行われる「自己採点」と、大手予備校各社による「センターリサーチ」の狂騒も特有の文化的景観でした。マークミス一つで志望校の判定がAからEへと転落し、職員室の片隅で頭を抱える高校生と進路指導教員の姿は、全国の高校で毎年繰り返された人間模様です。