近藤健介選手の驚異的な打撃理論と選球眼の礎は、千葉の実家における両親の独自かつ愛情あふれる指導方針によって築かれました。近藤家の家族構成は、父・義男さん、母・初江さん、兄・雅也さん、そして健介選手の4人家族です。
父の義男さんは、千葉市内の公立中学校で教鞭を執りながら軟式野球部の顧問を務めた名指導者(名伯楽)として知られています。義男さんが率いた中学校軟式野球部は全国大会出場を果たすなど、県内でも屈指の強豪校へと育て上げられました。
しかし、家庭内において義男さんは「決して野球を押し付けない」という哲学を貫いていました。当時の取材や特集番組において、義男さんは「親が強制した練習は身につかない。本人が自発的に『やりたい』と思う環境を整えることだけに徹した」と語っています。無理に技術論を教え込むのではなく、自宅の庭にティーバッティング用のネットを張り、健介選手が自らバットを握りたくなる空間を静かに用意していたのです。
また、母の初江さんは、成長期の兄弟の体を支えるため徹底した栄養管理と温かい精神的ケアを担当しました。どれほど試合で悔しい結果に終わっても家庭内では常に明るく出迎え、プレッシャーから解放される絶対的な安全基地を作りました。
このように、「教えすぎない名指導者の父」「絶対的な味方であり続けた母」「常に前を走る憧れの兄」という3つの柱が完璧に機能したことで、近藤選手は自ら考える思考力とブレない精神力を身につけることができたのです。