大山まきばみるくの里を語る上で欠かせないのが、売店で飛ぶように売れる名物ソフトクリームです。旅行ガイドやSNSで頻繁に目にする「1日に最大約5,000本を売り上げた」という驚愕のフレーズについて、単なる誇大広告ではないかと疑う向きもあるでしょう。しかし、関係者への取材や大山乳業農業協同組合の記録資料を紐解くと、この数字はゴールデンウィークの最盛期に記録された紛れもない事実であることが裏付けられます。
なぜ、これほどまでに人々を惹きつけてやまないのか。その秘密は、一般的な観光牧場とは根本的に異なる生乳の圧倒的な鮮度管理にあります。大山乳業農業協同組合は、鳥取県内すべての酪農家が一本化して組織する全国でも極めて稀な専門農協です。酪農家が自らプラントを持ち、集乳から製品化までの全工程を一元管理しているため、搾りたての新鮮な生乳を熱劣化させることなく贅沢に使用できます。
実際に口へ運ぶと、香料でごまかした人工的な甘みは皆無で、まるで上質な搾りたて牛乳をそのまま冷たく固めたかのような芳醇なコクが舌の上に広がります。乳脂肪分の濃厚さをしっかり感じさせつつも、後味には嫌なベタつきが一切残らず、驚くほど爽やかにすっと消え去る口どけの良さこそが、老若男女を虜にする決定的な要因です。