文学賞レースにおける飯嶋和一氏の立ち位置は、文壇でも非常に特異です。『神無き月十番目の夜』や『雷電本紀』などで直木賞の有力候補に幾度も名を連ねながら、惜しくも受賞を逃してきました。
しかし、選考委員たちの間でもその筆力と構成力は常に極めて高く評価されており、文学賞の枠に収まりきらないスケール感が議論を呼ぶことも少なくありませんでした。結果として直木賞の獲得には至らなかったものの、柴田錬三郎賞や大佛次郎賞、中山義秀文学賞など、権威ある文学賞を次々と受賞しています。
現在では「直木賞を超越した歴史文学の巨匠」として、玄人筋の読者や同業者たる歴史作家たちからも別格のリスペクトを受けています。