ネット上で流布している寸法の言説には、初心者が誤解しやすい盲点がいくつも存在します。
誤解①:「一間は全国どこでも182cmで完全に統一されている」
これは完全な誤りです。前述の通り、近畿・中国・四国地方の伝統的木造家屋では今も京間(約191cm〜197cm)が主流であり、地方都市の古民家や格式ある日本建築では柱間が一間半で3メートル近くに達するケースも珍しくありません。図面上の「一間」という文字だけでメジャーを持たずに現地を推測することは極めてハイリスクです。
誤解②:「柱芯々寸法(壁芯)と部屋の使える広さ(内法)は同じである」
間取り図に記載される寸法は、壁や柱の中心線で測る「壁芯(へきしん)計算」が原則です。しかし実際に家具を置けるのは、壁の内側である「内法(うちのり)」です。木造軸組工法で柱の太さが105mm、石膏ボードと壁紙で両側約30mm〜50mm厚みが出た場合、一間(1820mm)の空間の有効内寸は約1680mm〜1700mm程度まで狭まります。「182cmあるから幅175cmの大型テレビボードが入る」と過信すると、現場で壁に引っかかり設置不能に陥ります。