未経験から商業出版を勝ち取るための最も確実な二大ルートが、「絵本コンクールへの公募」と「出版社への直接持ち込み」です。
公募コンテストは、編集者の目に留まる最大の登竜門といえます。代表的な賞には以下のようなものがあります。
・MOE絵本グランプリ(白泉社)
雑誌『MOE』が主催する新人賞。大賞受賞作は雑誌掲載や書籍化への道が強く開かれており、絵本作家志望者の目標となっています。
・講談社絵本新人賞
老舗大手による歴史ある新人賞で、受賞作は講談社からの単行本化が確約される最高峰の舞台です。
・ニッサン童話と絵本のグランプリ
長年続く権威あるコンテストで、アマチュア限定のため新人が挑戦しやすい環境が整っています。
画力に自信がない文筆志望者であれば、作画を伴わない絵本テキスト募集を行っているコンクールに狙いを定めるのも有効な戦略です。
一方、出版社への持ち込みを試みる場合は、事前の下調べとマナーが不可欠です。現在は持ち込みを受け付けていない版元も多いため、必ず出版社の公式サイトで受付状況を確認し、事前にアポイントを取るか郵送・専用フォームでの送付規約に従います。持ち込む際は、完成原稿だけでなく、製本サイズに合わせて全ページを簡易的に貼り合わせた「ダミー本(絵コンテの完成形)」を用意することが必須条件です。編集者は「見開きごとのテンポ」や「めくりの効果」を瞬時に判断するため、1枚の絵の美麗さ以上に全体の設計図が評価されます。