広大な青空を背景に右手を掲げるさっぽろ羊ヶ丘展望台 クラーク博士像。「あちらへ向かって進め」と前方を指差していると誤解されがちですが、彫刻家・田畑一恵氏によって制作されたこのポーズには深い哲学が込められています。公式記録によると、指差す右手は「遥か彼方にある永遠の真理(Ideal)」を象徴しており、そこに向かって大志を抱き努力せよというメッセージを可視化したものです。
もう一つの疑問が、「なぜ札幌農学校(現・北海道大学)の初代教頭であったクラーク博士の全身像が、大学キャンパスから離れた羊ヶ丘にあるのか」という点です。もともと北海道大学構内には1926年に建立された有名な胸像がありました。しかし、昭和30〜40年代の観光ブームに伴い、北大構内へ観光バスや一般客が殺到。学生の研究・教育環境が脅かされる事態となりました。
そこで1976年、北海道開拓100年およびクラーク博士来道100年を記念し、当時農林水産省の種羊場だった景勝地・羊ヶ丘に、観光客が心置きなく記念撮影できる場として「丘の上のクラーク」像が新たに建立されたという経緯があります。