「なぜ宇連ダムはこれほど頻繁に渇水が話題になるのか?」という疑問には、地形と水利用の2つの明確な理由が存在します。
第一の理由は、ダムの貯水容量に対して集水面積が比較的小さい点です。宇連ダムの集水面積は約42.2平方キロメートルであり、一度に大量の水を貯め込むには上流域での集中的な降雨が不可欠となります。台風やまとまった前線通過がないシーズンが続くと、たちまち流入量が激減してしまいます。
第二の理由は、旺盛な水需要です。豊川用水は、日本有数の農業地帯である田原市・渥美半島への農業用水をはじめ、豊橋市などの工業地帯、さらには静岡県西部に至る上水道をまかなっています。供給先が極めて広範で需要が高いため、流入が細ると一気に水位低下が進む構造を抱えています。