「諸般(しょはん)」とは、文字通り「さまざまの事柄」「いろいろな方面」を意味する漢語です。したがって、「諸般の事情」の辞書的な意味は「多種多様な原因や込み入った背景が存在している状況」を指します。単一の原因ではなく、いくつかの要因が複合的に絡み合っているニュアンスを含みます。
日常会話で使われることはほぼなく、プレスリリース、謝罪会見、ビジネス文書、公式アナウンスメントなどの公の場で用いられる典型的な格式ばった表現です。単に「いろいろな理由」と書くよりも、公的かつ厳粛な響きを持たせる効果があります。
しかし、現代のメディア空間において、この言葉が純粋に「複数の事情がある」という意味だけで使われるケースは少数派です。実態としては「真実をありのままに公表すると関係各所に深刻な不利益が生じるため、あえて抽象化して伏せる」という危機管理広報のプロテクト用語として定着しています。