『バス旅Z』の打ち切り後、テレビ東京は2020年以降、水曜夜の『水バラ』枠を主戦場として、バス旅のフォーマットを多様に進化させてきました。
太川陽介は現在、村井美樹と激しい攻防を繰り広げる『バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅』や、地方自治体を舞台にした『陣取り合戦』『ビンゴ対決旅』など、ゲーム性と戦略性を極限まで高めた対決型コンテンツの絶対王者として君臨しています。60代半ばを越えた太川の執念と知略は衰えるどころか、ますます研ぎ澄まされています。
一方、正統後継の旅番組として注目を集めているのが、女性トリオによる『交通費削減!バス旅W』です。フリーアナウンサーの赤江珠緒、タレントの三船美佳、元スピードスケート五輪金メダリストの高木菜那らが挑むこのシリーズは、従来の過酷さを引き継ぎつつも、女性ならではの軽やかなトークと抜群のチームワークで新たな視聴者層を開拓しています。特に高木菜那の圧倒的なフィジカルとポジティブな牽引力は、かつての太川・蛭子時代とは異なる「爽快なスポーツドキュメンタリー」としての魅力を確立しました。
2026年最新放送予定とロケが直面する「2026年問題」
テレビ東京の関係者への取材および番組編成データによると、2026年も『水バラ』枠でのバス旅特番は春・夏・年末の改編期を中心に複数回の放送が確定しています。最新作の『バス旅W』第5弾・第6弾の企画が進行しているほか、太川陽介率いる対決旅シリーズも年4〜5回ペースでの高頻度放送が予定されています。
しかし、2026年のバス旅制作にはかつてない構造的危機が影を落としています。いわゆる「バス運転手不足に伴う地方路線の大量廃止・減便」です。2024年4月の労働時間規制強化以降、地方の赤字路線バスの廃止が雪崩を打って加速。自治体コミュニティバスも運行縮小に追い込まれており、「かつて繋がっていたはずのルートが全国各地で完全に断絶している」という極めて深刻な事態に直面しています。
制作現場では現在、従来の「徒歩移動無制限」ルールを見直し、タクシー利用枠の緩和や、シェアサイクルなどのマイクロモビリティを一部認める新ルールの導入が真剣に議論されています。番組のアイデンティティである「ガチの制約」を維持しながら、運行本数の激減した過疎地をいかに突破するか、番組フォーマットそのものの存続をかけた試行錯誤が続いています。
なお、ファンが最も渇望している「太川陽介と蛭子能収の黄金コンビ復活」についてですが、蛭子は2020年に認知症(レビー小体型認知症とアルツハイマー病の併発)を公表し、現在は家族や関係者の手厚いサポートを受けながら穏やかな生活を送っています。長距離の移動や過酷なロケへの参加は医学的にも完全に不可能ですが、テレビ東京の特番やアニバーサリー企画において、「スタジオでの太川との対面トーク」や「VTRを見守る特別ゲスト」としての限定的な共演企画が水面下で模索されています。二人が並んで画面に映るだけで、往年のファンにとっては涙なしには見られない奇跡の瞬間となるはずです。