多くの人が混同しがちなのが、年商と年収の違い、そして年商と利益の違いです。年商は「会社に入ってきた総額」であり、年収は「個人が労働や役員の対価として受け取った総支給額」を指します。どれほど年商が10億円あろうと、それは会社の売上であって経営者個人の財布に入ったお金ではありません。
さらにお金の真実を見極める上で不可欠なのが、年商と営業利益純利益の比較です。企業の収益構造は、年商(売上高)を起点とするウォーターフォール(滝)のように段階的に削られていきます。
売上から商品の仕入れ代金などの「売上原価」を差し引いたものが「売上総利益(粗利)」です。そこから従業員の給与、店舗家賃、広告宣伝費といった「販売費及び一般管理費(販管費)」を引いて残るのが、本業の稼ぐ力を示す「営業利益」となります。さらに借入金の利息などを加減した「経常利益」、法人税などの税金を支払った後に最終的に会社に残るお金が「当期純利益」です。
以下の比較表で、それぞれの概念が持つ意味と実務上の見方を整理しました。
このように、年商がどれほど巨額であっても、原価や経費の蛇口が開きっぱなしであれば利益はゼロに近づきます。「年商が大きい=儲かっている」という図式は、会計構造から見ても全く成り立たないことが分かります。