駆逐艦とは何か?戦艦や護衛艦との違いと現代海戦のリアルを徹底解剖

駆逐艦とは何か?戦艦や護衛艦との違いと現代海戦のリアルを徹底解剖

駆逐艦とは何か?戦艦や護衛艦との違いと現代海戦のリアルを徹底解剖の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

英語で駆逐艦を意味する「Destroyer」という言葉には、攻撃的で荒々しい響きがあります。しかし、駆逐艦の語源と歴史を紐解くと、この艦種は侵略兵器としてではなく、防護のためのカウンター兵器艇として誕生した事実が浮かび上がります。

発端は1866年、英国人技術者のロバート・ホワイトヘッドが自走式の「魚形水雷(魚雷)」を発明したことに遡ります。当時、巨費を投じて建造されていた巨大な装甲艦(後の戦艦)に対し、安価で小型のボートに魚雷を積んで肉薄・撃破する戦法が登場しました。これが「水雷艇(Torpedo Boat)」です。弱者が強者を一撃で葬り去るこの兵器は、世界各国の海軍を大いに震撼させました。

この水雷艇の奇襲から本隊を守るため、イギリス海軍をはじめとする列強は「水雷艇よりも高速で、小口径速射砲を多数備え、水雷艇を追い詰めて粉砕する護衛小艦艇」を考案しました。これこそが、水雷艇駆逐艦(Torpedo Boat Destroyer=TBD)と呼ばれた船です。1890年代初頭にイギリスのホーソン・レスリー社などで建造された「ハヴォック」や「ホーネット」がその始祖とされています。

ところが、水雷艇を追い払う能力を手に入れたTBDは、自らも大型の魚雷発射管を積むようになります。皮肉にも「水雷艇を駆逐する船」が「自ら魚雷で敵大型艦を沈める最強の水雷戦闘艇」へと変貌を遂げたのです。こうして名称から「水雷艇」が抜け落ち、単に「駆逐艦(Destroyer)」と呼ばれるようになり、駆逐艦の兵装と魚雷は艦隊決戦における切り札としての座を確立していきました。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。