就活の面接官やキャリア支援の現場から聞こえてくるのは、「初志貫徹を自己PRに使う学生の半分以上が、かえって評価を下げている」というシビアな現実です。ある大手総合商社の採用責任者は、採用選考の総括において次のように明かしています。 「『私は一度決めたら絶対に諦めない初志貫徹の人間です』とアピールする応募者に、あえて『市場環境や前提条件がガラリと変わった場合でも、その目標に固執するのか?』と質問します。そこで柔軟な見直しや代替案に触れられず、ただ『根性でやり切ります』と答えてしまう人は、変化の激しいビジネス現場においてリスクと判断せざるを得ません。」 心理学では、初期の計画や投じたコストに縛られて合理的な撤退や軌道修正ができなくなる現象を「サンクコスト効果(埋没費用効果)」と呼びます。面接官が懸念しているのは、初志貫徹が単なる「手段への執着」や「独善的な頑固さ」にすり替わってしまう点です。 また、日本語表現における初歩的な誤用にも細心の注意を払わなければなりません。
- ❌ 誤用例:「私は初志を貫徹して貫きました」(「貫徹」に貫くという意味が含まれるため重言になる)
- ❌ 誤用例:「プロジェクトを成功させるため、初志貫徹を努めます」(助詞の接続ミス)
- ⭕ 正しい表現:「入社後もこの目標を胸に、初志貫徹の精神で邁進します」
- ⭕ 正しい表現:「困難な状況にあっても、初志貫徹してやり遂げました」
言葉のプロフェッショナルである選考官は、こうした語彙の扱い方から論理的思考力と教養の深さをシビアに推し量っています。