日本のホストクラブの起源は、1960年代後半の東京に遡ります。当初は富裕層のマダムや芸能関係者が集うグランドキャバレーの男性版として誕生し、生バンドの演奏に合わせてチークダンスを踊る「大人の社交場」として機能していました。その代表格が、1971年に創業した「クラブ愛(愛本店)」です。創業者である故・愛田武氏は、豪華絢爛なベルサイユ宮殿風の内装と徹底した紳士教育で一時代を築き、メディアに積極的に露出することでアンダーグラウンドだった業界を一般に認知させました。
昭和期のホストクラブ営業スタイルは、タキシードやダブルのスーツをパリッと着こなした年長ホストによる、エスコート重視の接客が主流でした。客層も会社経営者や資産家、大物芸能人が中心であり、若者が気軽に足を踏み入れられる場所ではありませんでした。
転換期となったのは1990年代後半から2000年代(平成初期〜中期)です。雑誌『MEN'S KNUCKLE(メンズナックル)』やテレビのドキュメンタリー番組が火付け役となり、「カリスマホスト」ブームが爆発。若年層の男性が続々と参入し、従来のダンディズムからギャル男・お兄系カルチャーを取り入れた独自のエンターテインメント空間へと変貌を遂げました。