本作の原点には、シンガーソングライターのYUIが主演を務めた『タイヨウのうた (映画)』が存在する。映画版とドラマ版はほぼ同時期に展開されるメディアミックスの形をとったが、二人のヒロインが放つ魅力は実に見事なコントラストを描いていた。
映画版のYUIが本業ミュージシャンとしての飾らない生々しさとリアリティで観客を魅了したのに対し、ドラマ版の沢尻エリカは天性の表現力とドラマチックな引力で視聴者を物語の世界へ引きずり込んだ。ギターを掻き鳴らす所作ひとつ、光に怯えながらも前を向く瞳の揺れひとつに宿るドラマ性。映画とドラマ、双方が異なるアプローチで雨音薫という同一のキャラクターに命を吹き込み、作品世界を立体的に拡張させた稀有な事例といえる。