『ズートピア』の都市設計を描いた膨大なコンセプトアートには、本編には登場しなかった幻のエリアや、幻となった巨大インフラのスケッチが数多く残されている。熱帯雨林エリア「レインフォレスト・ディストリクト」や極寒の「ツンドラ・タウン」など、気候の異なる区画が隣り合う精巧な仕組みは、無数の環境デザイナーと建築イラストレーターの手によってミリ単位で計算し尽くされたものだった。
初期のスケッチの中には、齧歯類専用の超小型高速鉄道や、大型哺乳類と小型哺乳類が接触せずにすれ違える多層立体構造の歩道など、都市工学的にも極めて高度なアイデアが溢れている。スクリーンの背景一瞬にしか映らない看板や建物のディテールに至るまで、手書きのイラスト段階から妥協なく作り込まれていた事実には感嘆するしかない。