歌手として頂点を極めた八代亜紀だが、もう一つの顔が本格的な画家である。彼女が描く油彩画は世界的な評価を獲得し、最高峰とされるフランスの「ル・サロン展」で実に5年連続入選という快挙を成し遂げた。これは芸能人の「たしなみ」の領域を遥かに凌駕する実績である。
特に彼女が描いた猫のモチーフや人物画には、生命の暖かみと静けさが同居していた。キャンバスに描かれたヌード美術のデッサンや造形美への造詣の深さは、画家としての専門的なデッサン力と感性の鋭さを裏付ける。歌声同様、絵筆を通じて心の深層を表現していたのだ。