フィジカルへの憧憬は、二次元や実写映像表現の領域でも大きな熱量を帯びている。その美学の金字塔として君臨するのが、格闘漫画の最高峰『グラップラー刃牙』だ。作中で描かれる解剖学を超越した異常なまでの筋群と説得力ある肉体描写は、長年にわたりクリエイターやファンに多大な影響を与え続けてきた。
近年の映像エンタメにおけるアクションジャンルでは、単なる殺陣の華やかさ以上に「物理的な重厚感」が要求される。CG技術が極限まで進化した現在だからこそ、スクリーンから漂うリアルな質量や筋肉の連動性が生む迫力が重視されるのだ。劇画的リアリティと実在の肉体美が交差する地点に、新しいエンタメの快楽が存在している。