金星丸栽培において栽培者を最も悩ませるのが、ある日突然株全体が倒伏したり変色したりする現象です。栽培現場で確認される金星丸が枯れる原因は、大きく分けて2つの典型パターンが存在します。
最も多い失敗が「高温期の蒸れによる軟腐病・根腐れ」です。夏場の猛暑時に土が湿った状態で直射日光に当たると、鉢内部の温度が50℃近くまで跳ね上がります。金星丸の柔らかい組織と太い塊根はこの蒸れに極めて弱く、内部から組織がドロドロに液状化して崩壊します。これを防ぐには、真夏は水やりを夕暮れ時にシフトし、遮光ネット(30%程度)と小型サーキュレーター等による人工的な送風で空気の滞留を断固として防ぐ対策が不可欠です。
もう一つの落とし穴が、金星丸の冬越し管理における「中途半端な水やりと夜間の冷え込み」です。金星丸は乾燥状態を保てば0℃〜3℃程度の低温にも耐えられますが、用土に水分が残った状態で5℃を下回ると、塊根細胞が凍傷を起こして壊死します。冬場の夜間は窓際から部屋の中央へ退避させ、ダンボールや不織布で保温する工夫が株の生死を分けます。