選挙戦の熱気は街頭演説だけでなく、デジタル空間でも激しく渦巻いています。X(旧Twitter)やYouTube、各種掲示板で飛び交うネットの評判と反応を分析すると、アルゴリズムによるエコーチェンバー(情報への偏り)が顕著であり、ネット上の熱狂とリアルの有権者意識との間には無視できない乖離が生じています。
大手メディアが電話調査やインターネット調査を組み合わせて算出する当落予想と世論調査では、「支持政党なし」と回答する層の多くが、ネット上で過激な言説を発信しないサイレントマジョリティです。取材現場で一般有権者に直接マイクを向けると、「SNSで話題になっていることは知っているが、日々の買い物での物価高や子育て支援策のほうが切実」といった冷静な受け止めが支配的です。ネット上で拡散される動画の切り抜きや感情的なバズをそのまま民意と誤認することは、選挙分析において最も危険な罠と言えます。