「半音下げるだけで弾きやすくなるなら、常に半音下げにしておけば良いのでは?」と考える読者も少なくありませんが、構造力学的な変化を見落とすとトラブルの原因になります。ネット上で見落とされがちな落とし穴を検証します。
誤解1:チューニングを変えてもネックや弦高はそのまま変わらない?
【実態】 ギターのネックは、弦の張力とトラスロッド(内蔵の鉄芯)の反発力が釣り合うことで真っ直ぐに保たれています。レギュラーから半音下げにすると張力が下がるため、ネックが逆反り方向に動き、弦高が下がってフレットのビビリ(異音)や音詰まりが発生しやすくなります。常時半音下げをメインにする場合は、トラスロッドの微調整や弦のゲージを1ランク太くする(例:09-42から10-46へ)などの調整が不可欠です。
誤解2:オクターブピッチの狂いを放置しても問題ない?
【実態】 弦の張力が変わると、弦の振幅の仕方が変化するため、ハイポジションでのピッチ(音程)が狂います。開放弦を完璧に合わせても、12フレット周辺の和音が濁る原因となるため、ブリッジサドルを動かしてオクターブ調整を必ず再確認する必要があります。