ネットの口コミや知恵袋などで散見される「1回で元に戻った」「効果がない」「髪がギシギシに痛んだ」というネガティブな評価。これらには明確な化学的・技術的理由が存在します。
髪質改善トリートメントで効果が感じられない主な理由は、「適応の見誤り」です。前述の通り、生まれつきの強い癖毛に対して髪質改善トリートメントを行っても、癖そのものは伸びません。ストレートパーマのような仕上がりを期待していた場合、「全く変わらなかった」という失望に直結します。
さらに警戒すべきは、酸熱トリートメント特有のデメリットと失敗トラブルです。
1. 過収斂(かしゅうれん)による毛先の硬化・パサつき
酸性濃度の高い薬剤を放置しすぎたり、髪のpHが酸性に傾きすぎたりすると、髪が過剰に引き締まり(過収斂)、柔軟性を失って針金のように硬くなったり、毛先がバサバサになったりします。
2. 高温アイロンによる熱変性ダメージ
架橋反応を促すためのアイロンワークで、水分コントロールを誤ったまま180℃以上の熱を過度に当てると、タンパク質が熱変性を起こして炭化し、取り返しのつかないチリつき(ビビリ毛)の原因になります。
3. カラーの急激な退色と特有の残臭
グリオキシル酸などの酸性成分は、ヘアカラーの色素を分解・脱落させる性質があります。施術直後に髪色が1〜2トーン明るくなってしまう現象や、施術後数日間にわたって濡れた髪から特有の酸っぱい匂いが発生する点は、事前に把握しておくべきデメリットです。