このチームの最大の強みは、中高一貫校ならではの「時間」が生み出した結束力にある。エースの佐藤投手と主主将の鈴木捕手は、市立福山中学校の軟式野球部時代からバッテリーを組んで今年で6年目。互いの癖、性格、思考回路の隅々まで知り尽くしている。
ピンチの場面でも、鈴木がマウンドへ向かう回数は極めて少ない。アイコンタクト一つで球種とコースの意志疎通が完了するからだ。マウンド上で佐藤が少しでもフォームを崩せば、鈴木は瞬時にその変化に気づき、キャッチャーミットの構え方で修正を促す。この長年培われた阿吽の呼吸が、土壇場での驚異的な粘り強さを生み出している。