過酷な戦いのなかで散っていった脇役たちの最期もまた、『からくりサーカス』を傑作たらしめる決定的な要素です。
しろがねの長老格であり、勝の師匠として冷徹に振る舞いながらも誰よりも深い情愛を秘めていたギイ・クリストフ・レッシュ。彼が自動人形の大群を相手に、自身の命と引き換えに勝へ道を拓いたギイのラストシーンは、涙なしに読むことはできません。
マザー・コンプレックスを抱え、母の面影を持つ人形「オリンピア」とともに戦い続けたギイが、最期に勝へ遺した言葉と、母の腕に抱かれるように息を引き取る演出は、藤田和日郎氏の演出美の極致です。
また、敵であったはずの「最古の四人」(アルレッキーノ、パンタローネ、コロンビーヌ、ドットーレ)が、人間である勝やエレオノールと心を通わせ、真の感情を手に入れて散っていく姿も、ネット上で「敵ながら美しすぎる結末」として高い評価を得ています。