「おとなしい草食動物」と油断していると、思わぬ大怪我につながるケースが後を絶ちません。農林水産関連の事故事例や飼育現場の報告によると、ヤギの頭突きの危険性は成人の肋骨を骨折させるのに十分な破壊力を秘めています。
ヤギが突然暴れる原因の多くは、縄張りへの侵入、背後からの急な接触、そして発情期のホルモンバランスの乱れです。ヤギは以下のような明確な威嚇行動パターンを示します。
- 後ろ足で直立する(リアリング):遊んでいるのではなく、頭頂部を振り下ろして頭突きを叩き込む最大攻撃の予兆体勢。
- 鼻を激しく鳴らす(スノーティング):「フシューッ」と鋭い鼻息を吐き出すのは警戒レベルが上限に達した合図。
- 角を横に向けて擦り付ける:自分の優位性を誇示し、相手を押し出そうとする圧迫行動。
ふれあい広場などでのヤギが噛む事故の防止策として最も重要なのは、「手のひらを平らにしてエサを乗せる」ことです。ヤギには上顎の前歯がなく硬い歯床(ししょう)となっていますが、奥歯(臼歯)は植物をすり潰すために鋭利かつ強力です。指先でエサをつまんで差し出すと、指ごと奥歯に巻き込まれて皮膚を切創する事故につながります。