呼吸困難で搬送された猫に対し、動物病院で最初に行われるのは確実な酸素療法の確保だ。高濃度の酸素で満たされた酸素室(ICUケージ)に猫を収容し、極限状態にある肺の酸素交換をサポートしながら血中酸素飽和度を引き上げる。
同時に、肺に溜まった余分な水分を急速に体外へ排出させるため、利尿薬(フロセミド)の注射投与が選択される。血管内の水分を尿として排出させることで静脈圧を下げ、肺胞に漏れ出た液体を血管内へと再吸収させる戦略だ。
利尿薬の投与量は非常に繊細な判断を要する。脱水や急性腎不全のリスクを天秤にかけながら、猫の血圧や腎数値をリアルタイムで監視しつつ、呼吸の安定化を目指す緊迫した医療現場の判断が続く。