機体全体の墜落事故が歴史的低水準を維持する一方で、現代の航空輸送において最も警戒すべき現実的なリスクとして急浮上しているのが乱気流による負傷事故リスクです。
ICAO世界航空事故統計データおよび近年の気象学会の報告によると、地球温暖化に伴う上空ジェット気流の蛇行・温度勾配の激化により、レーダーに映らない晴天乱気流(CAT: Clear Air Turbulence)の発生頻度が過去40年で数十パーセント増加しています。巡航中に突如として機体が数百メートル急降下し、天井に頭部を強打して骨折や重傷を負う事案が世界各地で多発しています。
航空事故の年別推移と最新動向を俯瞰すると、致命的墜落事故が減少の一途をたどる反面、機内トラブルの主因は「予期せぬ揺れによる乗客・乗務員の負傷事故」へとシフトしています。墜落を恐れるあまり過剰なパニックに陥るよりも、「巡航中であっても座席にいる間は常にシートベルトを腰の低い位置で隙間なく締めておく」という極めて現実的な自己防衛こそが、現代の空の旅において最も実効性の高い安全対策です。