一方、もう一組の夫婦である新名誠と新名楓もまた、完全な破局と離婚を迎えます。ファッション誌の副編集長としてキャリアの頂点を目指す楓と、家庭を支えながら誰にも言えない孤独を抱えていた誠。二人の関係は、外見上の理想的なパワーカップルという仮面の下で完全に崩壊していました。
誠がみちへ惹かれた発端は、同じレスの痛みを共有したことによる精神的な救済でした。しかし、誠から離婚を切り出された楓は、初めて夫の存在の大きさと自らの無神経さに気づき、家庭を取り戻そうと必死の努力を試みます。手料理を作り、仕事をセーブして夫に向き合おうとする楓の姿は読者の胸を打ちましたが、すでに誠の心は完全に離れていました。
楓は最終的に、「他人に依存して自分の価値を保つのではなく、一人の表現者として生き直す」決意を固め、離婚を受け入れます。この潔い決断によって、楓は物語の中で最も精神的成長を遂げたキャラクターの一人として高い評価を得ることとなりました。
みちと新名の関係 現在|二人は結ばれたのか?
離婚成立後、新名誠はみちに対して正式に想いを告白します。しかし、吉野みちは新名の手を取ることを選びませんでした。誰かの穴埋めとして別の男性に寄りかかるのではなく、「自分一人の足で立ち、自分の人生に責任を持つ」ことを選んだためです。
原作最新話に至る展開でも、二人は即座に恋人や再婚相手となるのではなく、互いに仕事と生活基盤を整えた対等な大人として、適度な距離感を保ちながら交流を続けています。恋愛の熱狂に逃げ込まないリアルな幕引きこそが、本作の持つ最大の説得力と言えます。