東京本部の歴史を語る上で避けて通れないのが、東西の壁を打ち破ったレジェンドたちの存在だ。1980年代から90年代にかけて、明石家さんまが圧倒的な発信力で東京のテレビ番組を席巻し、続いて松本人志をはじめとするダウンタウンの世代が笑いの構造そのものをアップデートした。彼らの成功が、吉本という巨大芸能プロダクションの軸足を東京へと大きく引き寄せた。
以前は「関西ローカルの演芸会社」と見なされることもあった同社だが、東京拠点の設立によってキー局との密接な連携が完成した。企画の持ち込みからキャスティング、番組制作に至るスピード感は一気に加速。東京本部はお笑い界の地殻変動を象徴するタワーとなったのだ。