検索エンジンやSNSで「平成 天皇 崩御」という言葉が定期的に浮上する最大の要因は、「改元=天皇の逝去」という歴史的固定観念と用語の混同にあります。
近代日本の皇室において、明治から大正、大正から昭和、そして昭和から平成への代替わりは、すべて天皇の崩御に伴うものでした。そのため、「平成が終わった=平成の天皇が亡くなった」と無意識に連想してしまう層が一定数存在します。さらに、小中学校の歴史授業で「昭和天皇崩御に伴い平成に改元」と学ぶ若い世代が、平成から令和への移行プロセスを正確に区別できていないケースも散見されます。
皇室における言葉の定義を整理すると、違いは極めて明確です。
・崩御(ほうぎょ):天皇、皇后、太皇太后、皇太后が亡くなられた際に用いる最高位の敬語表現。
・譲位・退位(じょうい・たいい):天皇が生前にその地位を皇太子(後継者)へ譲ること。
2019年4月30日に執り行われたのは「退位礼正殿の儀」であり、翌5月1日に徳仁親王(今上陛下)がご即位されました。平成の天皇陛下は崩御されたのではなく、皇位を譲られて「上皇(じょうこう)」となられたのが歴史的真実です。