我妻善逸というキャラクターを語る上で欠かせないのが、日常と戦闘時の鮮烈な対比だ。死にたくないと泣き叫び、仲間の背中にしがみつく情けない姿は、一見すると英雄の器からは遠く及ばない。しかし、極限の恐怖によって意識が落ちた瞬間、彼の真価が解き放たれる。
耳を澄まし、呼吸を整え、柄に手をかける。雷の呼吸の基本である「壱ノ型 霹靂一閃」しか使えないコンプレックスを抱えながらも、彼はそのたった一つの技を極限まで磨き続けた。一つの技を研ぎ澄ませた者だけが到達できる居合いの領域。その圧倒的な速さと美しさが、見る者の胸を深く穿つ。