スクリーンでは凄まじい業を背負う二人だが、ひとたびカメラが止まれば、そこには驚くほど風通しの良い家庭の風景が広がる。夫であり息子である柄本佑が時折テレビや取材で明かすエピソードは、表現者一家ならではのユーモアに満ちている。
食卓を囲みながら交わされるのは、日常の些細な笑い話から、古今東西の映画論まで多岐にわたる。柄本明の飄々とした佇まいと、安藤サクラの朗らかな笑い声。お互いの表現活動に対して過度な干渉はしないが、出演作には静かに目を通し、短い一言で核心を突く。表現への厳しさと家族としての温かさが、奇跡的なバランスで同居しているのだ。