日用品と何が違う?生活雑貨の正体と暮らしを劇的進化させる極意

日用品と何が違う?生活雑貨の正体と暮らしを劇的進化させる極意

日用品と何が違う?生活雑貨の正体と暮らしを劇的進化させる極意についての真相をご紹介します。

日本の暮らしにおいて生活雑貨がこれほど豊かな文化へと育った背景には、卓越したプロダクトデザインの系譜がある。

日本のモダンデザインを牽引した柳宗理は、徹底して「手で考える」デザイナーだった。彼の手掛けたステンレスケトルやカトラリーは、図面の上ではなく石膏模型を何度も手で削り、指先の感覚を確かめながら生み出された。民藝運動の創始者である父・柳宗悦の「用の美」の思想を受け継ぎながら、工業生産の枠組みの中で道具としての極致を具現化したのだ。

その思想は現代の深澤直人へと引き継がれ、さらに洗練された進化を遂げている。人が無意識のうちに取る行動に寄り添う「Without Thought」の哲学や、過度な主張を削ぎ落とした「スーパーノーマル」の提唱は、世界のデザイン界に強い衝撃を与えた。深澤氏がデザインした壁掛け式CDプレーヤーやケトルは、空間のノイズにならず、使う瞬間にだけ心地よい存在感を放つ。

彼らが証明したのは、優れた生活雑貨とは過剰な自己主張をするアートではなく、生活の背景として溶け込みながら行為を美しく支える器であるという事実だ。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。