この劇的な進化の土台には、1990年代初頭に巻き起こったムーブメントの存在がある。当時、輸入食材に頼り切っていた現地の食状況に危機感を抱いたロイ・ヤマグチやアラン・ウォンら伝説的な12人のシェフが集結し、「ハワイ・リージョナル・キュイジーヌ」を旗揚げした。彼らは地元農家と直接契約を結び、採れたての農産物と海の幸を主役に据えた新しい料理体系を築き上げた。
アジアからの移民が持ち込んだ調味料や技法を融合させたパシフィック・リム料理のアプローチは、瞬く間に世界の食通を魅了した。アメリカ料理界の最高峰とされるジェームズ・ビアード財団からも極めて高い評価を獲得し、ハワイの食を国際的なファインダイニングの地位へと押し上げた歴史的転換点である。