すべての発端は、2002年夏のコミックマーケットで頒布されたPC向け弾幕系シューティング『東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil.』だった。同人サークル「上海アリス幻樂団」が世に放った本作のExtraステージボスとして現れたのが、フランドール・スカーレットである。紅魔館の主であるレミリア・スカーレットの妹でありながら、精神の情緒不安定さを理由に地下へと閉じ込められていた。
ステンドグラスのように妖しく輝く七色の翼、炎の剣「レーヴァテイン」、そして情緒の振れ幅が大きい危険な言動。緻密かつ容赦のない弾幕パターンと相まって、プレイヤーに強烈なトラウマと陶酔を同時に植え付けた。退廃的なダークファンタジーの美学を凝縮したその登場は、インディーズ史に残る金字塔となったのである。