使用期限切れの薬を飲んだらどうなる?未開封との違いと正しい捨て方

使用期限切れの薬を飲んだらどうなる?未開封との違いと正しい捨て方

使用期限切れの薬を飲んだらどうなる?未開封との違いと正しい捨て方とは一体何なのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

家庭内で最も危険な自己判断の一つが、「過去に処方された薬の余りを保管し、体調が悪くなったときに勝手に飲む」という行為です。その中でも抗生物質(抗菌薬)の残りを飲んではいけない理由には、個人の健康被害にとどまらない重大な医学的根拠があります。

抗生物質は、感染症の原因菌を完全に死滅させるため、一定の血中濃度を一定期間維持するよう計算されて処方されます。症状が治まったからと自己判断で服用を中断して余らせ、数ヶ月後に風邪のような症状で中途半端に2〜3回分だけ飲むと、体内の菌を殺しきれずに生き残らせてしまいます。その結果、薬剤への抵抗力を獲得した「薬剤耐性菌(AMR)」を生み出す原因となり、将来本当に重篤な感染症にかかった際に薬が一切効かなくなるリスクを招きます。

「冷蔵庫に入れておけば何年でも長持ちする」という認識も重大な誤解です。冷蔵庫からの出し入れに伴う激しい温度差は、容器内部に結露(微細な水滴)を発生させ、粉薬の吸湿固化や錠剤の加水分解を一気に促進させます。冷所保存(2〜8℃)が明記された特定のシロップや未開封坐薬を除き、一般的な内服薬を冷蔵庫に保管することは劣化を早める逆効果にしかなりません。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。