看護倫理の原則とは?現場の葛藤を解く4原則と実践事例

看護倫理の原則とは?現場の葛藤を解く4原則と実践事例

看護倫理の原則とは?現場の葛藤を解く4原則と実践事例について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。

インターネット上の掲示板や初学者向けまとめサイトでは、看護倫理に関していくつかの重大な誤認が見受けられます。現場での適切な判断を妨げないよう、ここで真実を整理しておきます。

誤解①:「患者の自己決定権は何よりも優先される絶対的なものである」
これは極めて危険な誤解です。自己決定権が成立するためには、「十分な判断能力を有していること」「強要や認知の偏りがないこと」「他者に対する著しい危害が生じないこと」という前提が必要です。例えば、せん妄や重度うつ状態による治療拒否をそのまま「自己決定だから」と放置することは、自律の尊重ではなくケアの放棄(ネグレクト)に他なりません。

誤解②:「家族の意向=患者本人の意向として扱ってよい」
日本の臨床現場では、本人の判断能力が低下した際、家族の決定をそのまま受け入れるケースが目立ちます。しかし、法医学や生命倫理の基本はあくまで「推定意思の尊重」です。家族の都合や心理的否認(現実を受け入れられない感情)によって、本人が生前望んでいなかった過剰な侵襲的処置が選択されるリスクを、看護師は客観的にアセスメントしなければなりません。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。