英語学習者にとって最大の疑問が、「September 語源 理由」にまつわるズレです。音楽記号のセプテット(七重奏)や、フランス語の「sept(7)」からも分かるように、語頭の「sept-」は古代ラテン語で数字の「7(septem)」を意味します。それにもかかわらず、なぜ現在のカレンダーでは9番目の月になっているのでしょうか。
ネット上の俗説では「古代ローマの皇帝カエサル(ジュリアス・シーザー)やアウグストゥスが自分の名前の月(July / August)を勝手に割り込ませたため、後ろの月が押し出された」と語られることがありますが、これは歴史学的には明白な誤りです。
英語の月名がなぜズレたのか、その決定的な理由は「紀元前の古代ローマ暦における年始の変更」にあります。
紀元前8世紀頃の初代ローマ王ロムルスが制定した「ロムルス暦」では、農業が始まる春分の日(現在の3月)が1年の始まり(第1月)でした。当時の数え方では以下の通り、完全に数字と月が一致していたのです。
- 第1月:Martius(現在の3月 / March)
- 第5月:Quintilis(数字の5 / 後のJuly)
- 第6月:Sextilis(数字の6 / 後のAugust)
- 第7月:September(数字の7)
- 第8月:October(数字の8)
- 第9月:November(数字の9)
- 第10月:December(数字の10)
当時の暦には、農作業を行わない真冬の約60日間には月名すら割り当てられていませんでした。その後、第2代国王ヌマ・ポンピリウスが暦を整備した際、冬の期間に「Januarius(1月)」と「Februarius(2月)」を追加しました。そして紀元前153年、行政・軍事の都合から年の始まりが3月から1月へと2ヶ月前倒しされたのです。
この改革によって、各月の名称はそのまま据え置かれたため、「7番目の月」という意味を持つSeptemberが、自動的に1年の「9番目の月」へとスライドしたというのが歴史的事実です。