共学化の発表当初、地元福岡の教育界には大きな激震が走りました。「部活動の強さが損なわれるのではないか」「女子が入ることで校風が壊れないか」といった懸念の声が保護者や卒業生の間で囁かれたのは事実です。しかし、関係者への取材や学校説明会の動向を追うと、学校側周到な準備と施設リニューアルによって、そうした懸念はポジティブな刷新感へと塗り替えられました。
現在の入試動向を俯瞰すると、東福岡高等学校の偏差値はコースによって大きく差別化されています。最上位に位置する「特進英数コース」は偏差値64〜66前後を維持し、公立トップ校である修猷館や福岡高校の併願先としてのポジションを堅持。中位の「特進コース」が偏差値56〜59、部活動と両立を図る生徒が多い「進学コース」が偏差値48〜51近辺で推移しています。一方、併設する東福岡自彊館中学校の偏差値は大手四谷大塚や日能研の基準で45〜49(首都圏模試換算で50台前半)をマークしており、共学化を機に共学志向の強い家庭からの志願が増加傾向です。
出口戦略である東福岡高等学校の進学実績に目を向けると、九州大学をはじめとする難関国公立大学への合格者数が堅調に推移しているだけでなく、西南学院大学や福岡大学といった地元有力私立大への現役合格率が向上しました。特に共学化以降に入学した女子生徒の学習意欲の高さが進学クラス全体の学力底上げを牽引しており、男子生徒側にも良い緊張感が生まれていると教職員の間で語られています。
保護者が最も気にする東福岡自彊館中学校の学費については、初年度納付金(入学金・授業料・施設設備費など)の合計が約85万〜95万円、高校進学後も年間学費として約75万〜85万円(制服代やICT端末代、修学旅行積立金等は別途)が必要となります。福岡県内の私立中高一貫校としては標準的な水準に設定されていますが、設備投資による快適な学習空間や手厚い補習体制を考慮すれば、費用対効果に対して納得感を示す保護者が目立ちます。