いま、横浜のカレーシーンで最も熱い視線を集めているのが、伝統と革新のグラデーションだ。長年受け継がれてきた濃厚で奥深い伝統の欧風カレーを守り続ける老舗がある一方で、異国のハーブやスパイスを縦横無尽に操る斬新なスパイスカレーの穴場名店が路地裏に続々と誕生している。
取材班が現地を歩いて目にしたのは、平日・週末を問わず行列を作る熱狂的なファンたちの姿だ。洋食の技法を取り入れた極上フォンドボー仕込みのカレールーを提供するクラシックな名店では、年配の常連客が静かにスプーンを運ぶ。一方、少し離れた裏路地の雑居ビルでは、若き店主が日替わりで提供する独創的な一皿を求めて若い世代が長蛇の列をなしていた。この多様性と層の厚さこそが、現在の横浜が「カレーの首都」と称される最大の理由だろう。